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​海外バイヤーからの日本魚についての期待

各国のパートーナーから日本魚、水産加工メーカーに対して今リアルな期待を聞きました。

  A)海外輸出支援企業より、

  B)商社より、

  C)レストランシェフより

1.日本の魚に期待されるものは何ですか?

2.水産加工メーカーに期待されるは何ですか?

​海外商社1(香港)

1,以前と比べてアジアの方々の魚に対する嗜好が変わってきている。

サーモンや大トロは依然人気があるものの、「Omakase」が流行っている昨今は、ノドグロ、キンキ、キンメ、黒ムツ、アマダイ、ヒラメなど日本でも高級魚と呼ばれるものの需要が増えている。またウニなどは何種類も揃えなければ顧客の満足度をみたせなくなってきている。

タラバガニ、毛蟹もものすごい需要はあるが、温暖化の影響で年々収穫が減っていってるのが不安。

以上から、今後日本の魚に期待するものとしては、これまでの脂ばかりが乗った魚種から、白身や光物、また貝など幅広い魚種の提供が顧客の満足度を満たしていくものと思われる。

それに伴い、それら魚種を調理できる料理人の質の向上も求められるであろう。

 

2.マーケットインの発想でその国に好まれるものを調査してそれを提供する、に限ると思います。

​海外輸出支援企業2(シンガポール)

1.定番の刺身・寿司ネタ以外への多様化の可能性

現在、シンガポールやマレーシアの寿司・刺身のネタは、まぐろ・サーモン・ホタテ、が圧倒的な人気となっています。

一方、東南アジアでは青魚や白身魚を生で食べる習慣が元々無いため、ぶり・はまちなど青身や、タイなど白身はなかなか伸び悩んでいるところです。

そのような中、水産物の輸出の中では特にぶりの輸出がとても伸びています。

ぶりは養殖技術の向上で魚臭さが抜け、それを米国PRした結果輸出が伸びておりますが、逆にまだ他国ではあまり伸びていないところです。

そのため、まだまだシンガポールやマレーシアでは伸びる余地があるのではと思います。

 

また昨年より、シンガポールやマレーシアのドンキが、「鮮選寿司」というイートインスペースでオーダー制の寿司店を積極的に展開しており好調です(シンガポールで4か所、マレーシアで2か所)。

これは、いわゆる日本食店の高級すしと、回転すしやスーパーのテイクアウトの大衆すしの間を狙ったものだそうで、ここでは上記定番銘柄以外の様々なネタが売れているとのことです。

蛇足ですが、本日ドンキの鮮魚担当者に聞いたのですが「最近は北海道バフンウニが売れてますので、最近はムラサキウニでなくバフンウニに特化して輸入してます。」とのことでした。マレーシア人にもウニの違いが分かるのだなあと思いました。

 

そのため、シンガポールのような日本食成熟してきている市場では、まだまだ様々な魚種の輸出が伸びる余地があるのではと思います。

特にシンガポールは、個人の飲食店・卸で直接日本の漁港で買い付ける方も多く、そういう方は「大規模流通には無い魚種を扱ってます」をPRしてますので。

 

2.「冷凍」で輸入できる加工品・時短できる加工品

もう1つ、JETRO事務所でよくバイヤー(卸・飲食店)から聞かれるのは、「冷凍で持ってこれて良い品質の水産物・加工品は無いか?」ということです。

というのも、1.のような生食鮮魚はどうしても空輸で運ぶことになりますし、一押しの逸品は品質第一なのでそこは冷凍品には代えがたいようです。

 

一方、日本の飲食店も「逸品」だけ商売ができる訳ではなく、コース料理の前菜にしたり、サイドメニューに追加できるような、①手軽に提供でき、②日持ちのする冷凍保存できる、水産物が欲しいようです。

例えば、一夜干し・干物や冷凍ウニ加工品などのようなもののようです。

そういう点で、日本各地で作られている水産加工品もまだまだポテンシャルはあるのかなと思います。

 

加えて特にコロナ後は、シンガポールでも飲食店でも従業員不足は深刻のため、ローカル従業員でも手軽に作れたり、日本の職人の負担が減る・時短になる半加工品のニーズは高いです。

これは水産物でなく加工品全般に言えますが。そのため、バイヤーの方への加工品商談会でも、普通に商品をPRするより、「この商品は〇〇をすると〇〇の手間が省けて良いです」と説明するとウケが良いです。

 

しかしながら例えば見本市でも「こんな商品売れるかなあ」という加工品のウケが良かったりする場合があります。

そういう意味で、JETRO商談会などで試しに一度自社の商品を海外に持っていき、直接バイヤーの方と話をするのが、一番自社の商品のメリットや潜在性が分かるのではと思います。

​海外輸出支援企業3(ニュージーランド)

1.日本の魚に期待されるものは、高品質で美味しい味、豊富な栄養価、そして安全性です。

日本は海に囲まれているため、新鮮な海産物が豊富にあります。多様な種類の魚介類があり、それぞれに特徴的な風味や食感を持っています。日本の魚介類は、世界的にも高い評価を受けており、特に寿司や刺身、煮付け、天ぷらなどの料理によく使われています。

また、日本の魚介類は、栄養価が高く、豊富なタンパク質、ビタミン、ミネラル、オメガ-3脂肪酸を含んでいます。これらは、健康的な食生活に必要な栄養素であり、日本人にとっても重要な食材となっています。

さらに、日本の魚介類は、衛生的に安全な食品として信頼されています。漁業法による厳格な管理や、水産加工技術の発展によって、新鮮で安全な魚介類が提供されています。

 

2.については「メーカー」を「水産業者」と読み替えて、回答デス:高品質な魚介類の生産:日本は、世界でも有数の水産国であり、高品質な魚介類の生産が期待されています。特に、日本の伝統的な水産業者は、長年にわたって培ってきた技術と知識を活かし、高品質な魚介類を生産しています。

持続可能な漁業の実践:現在、世界的に漁業資源が枯渇している状況にあります。そのため、日本の水産業者には、持続可能な漁業の実践が求められています。具体的には、漁獲量の適正化や、過剰漁獲を防ぐ漁網の改良などが挙げられます。

健康・安全な魚介類の提供:日本の水産業者には、健康・安全な魚介類の提供が期待されています。特に、水産物に含まれる水銀やダイオキシンなどの有害物質について、適切な管理が求められています。

国内外への積極的な販路拡大:日本の水産業者には、国内外への積極的な販路拡大が期待されています。海外市場に進出し、高品質な魚介類を提供することで、日本の水産業界の発展につなげることが求められています。

要注意点は世界で広がる水産保護運動で、特に注目すべきは:米国の米国海産ほ乳類保護法(MMPA)デス。MMPA:MMPAは、"Marine Mammal Protection Act"の略称で、1972年にアメリカ合衆国で制定された法律です。この法律は、イルカ、クジラ、アザラシ、セイウチなどの海洋哺乳類の保護を目的としています。

MMPAは、商業的または研究目的で海洋哺乳類を捕獲、殺傷、傷害、追跡、飼育することを規制し、また、海洋哺乳類の飼育、展示、輸送についても規制しています。また、沿岸開発や石油採掘などの人間の活動が海洋哺乳類に与える影響についても規制しています。

MMPAは、アメリカのみならず、海洋哺乳類の保護に関心を持つ国々にも影響を与え、同様の法律が世界各国で制定されるきっかけとなりました。

​海外輸出支援企業4(USA、韓国)

1.海外で認知されている日本の魚は刺身マグロ、ブリ、タイくらいで他の魚はほとんど知られていないと思います。ボストンではシマアジの展示もあったようですが。日本で漁獲のある魚をより多種類提案するべきだと思います。ウニは近年海外の需要が伸びているようです。

2.ブリやギンダラ、サバなど漬け魚は受けると思いますが、これらの商品は海外では極一部の消費者しか知識がないと思います。調理も加熱するだけと簡便なので、飲食店や家庭での消費を提案できると思います。ただ価格がネックになりそうです。展示会などでより幅広く試食させるべきだと思います。

​海外輸出支援企業5(アジア、EU、USA)

1. 日本の魚が海外から期待されるもの

1) 鮮度

水産物への関心が高まり、様々な国々で、様々な国々からの水産物が提案されています。斯様な競争の中で日本の水産物が差別化できるポイントの一つは、「鮮度」です。「鮮度」が良ければ、味が大いに異なり、魚本来の美味しさを味わうことが出来ます。「鮮度」が良くなければ、味がイマイチとなり、消費者がリピートせず、バイヤーからの発注もなくなり、市場は拡がりません。

水揚げから加工まで、一貫した管理体制と日本が誇る「sakana技術」(活き締め、冷凍、など)が求められると思います。

※ 古川さんが、為されていることです。

 

2) その他

(1) 原産地とのアピール

※ フランスワインなどのように、産地もアピールすることで、数倍の訴求効果につながる(GFP認証)

※ インバウンド需要にもつながります。

(2) 品質の向上を図る

※ 中国などでは、マグロを筆頭に、品質、鮮度にこだわれば、相応しい価格(国内以上の取引価格)で取引をいただける事例が増加。

※ 日本では、魚は日常。海外では、サカナは「ハレの日」市場、特別なモノ。

 

2. 加工メーカーが海外から期待されるもの

1) メニュー&機能提案

 海外では、寿司のブームを超え、今では「OMAKSE」スタイルがブームになっています。シェフが、趣向を凝らして水産物をはじめとする様々な食材を用いて、様々なメニューを一連化し、消費者に提案するスタイルです。「SUSHI」、「WASHOKU」、を基本にシェフや土地柄、そして食材独自のエッセンスを加味して、メニュー化されています。日本人が忘れていた日本食や食材の良さ、当然のこととして留意していなかった機能や健康性能をシェフが「うんちく」として伝え、消費者は、そのウンチクを含めてメニューを食しています。当然であること、日常であることを今一度見直し、改めて日本食、日本食材の良さを学び、伝えること重要と思います。

 

2) その他

(1) 現地の規定に合わせたラベル表示

(2) 2兆円以上と云われるハラル市場への商品開発

(3) 端材などの活用した業務用商品(パウダー、等)

海外商社6(シンガポール、USA)

1.養殖技術が進み養殖魚の種類が増える

2.冷凍技術が進み、冷凍での海外、国内販路が増える

海外商社7(シンガポール)

1.最先端の凍結技術を駆使した、冷凍でも鮮度が保たれた商品(航空便に比べロスが少なく、価格が安い)

湯煎やレンジアップ等でそのまま食べられる商品(慢性的な人手不足)が必要。

サーモンやマグロ等SGでも人気がある魚種以外の認知度の向上。

2.先日、スーパーで海鮮丼を購入した方がアニサキスを発見し、大きな問題となった

日本では鮮度の高い魚に含まれる可能性があると浸透しているが、

シンガポールの消費者はそこまでの知識がない、こういったバックグラウンドの問題がある。

海外商社8(シンガポール、マレーシア)

1.ご当地の魚の良さを全般的に伝えるフェアのようなものを定期的レストラン/小売店と組んでいけると面白いと思います。

北海道フェアや宮城フェア、というのは海外でも良く目にするため、海外の方にとっても北海道や宮城というのはより、馴染みのあるとのになってきているかと思います。

ただ、一定の品のみではなく、山口県であれば、フグ/甘鯛/サザエ(水産品に限らず、果物やお酒なども)などを全面的に押し出したフェアを年に数回行うことで、現地での認知ども増え、より山口県の全体的にな水産品輸出につながるかと思います。

2. 上手く行かないことも多々あるかもしれませんが、的が相当外れていない限り、やる気のある生産者と組んで取り組んでいきたい、と思っております。上手く行かないこともあるかもしれませんが、積極的な取り組みは大歓迎です。

海外商社9(シンガポール)

1.一部店舗(おまかせなど)では天然を好むこともありますが、基本は安定した供給、安定した質や価格が求められることが多いです。

そのため、当社も養殖を中心に出荷をおこなっております。

販売先は「和食や日本食」に限ることが多いかと思いますが、魚は日本に関係なく食されるので、他のジャンルに販売できるような魚や、それに関連するブランディングされている魚が増えると出口を作る者としてはとても案内がしやすいかと思います。

まだまだ「日本産」はブランドです。しかし、他国の影響を受けて安定性を失う状況があるのが現状かと思います。

日本として、一層良い商品を安定的に供給できる体制を維持してほしいと思います。

2.シンガポールや香港に関してはほとんど登録や書類は必要ありませんが、他の国はなにかしら求められることがあります。

鮮魚は輸出がしやすい(書類がないもしくは少ない)商品群ではございますが、加工品等になってくると話しは違います。

製造もしくは出荷場所の施設登録、EPA関連の書類など、準備ができていないために案内を断念する、もしくは対応できるところを探さないといけない苦労が毎回あります。

レストランシェフ10(シンガポール)

1. 料理人として、日本の魚はこれからも料理の世界で高く評価される食材であり、料理人のための研修旅行などを通じて、より深く学ぶ機会を持ちたいと考えています。

- 食の安全・衛生

- 魚の種類に関する教育

2. シェフとのコラボレーション 日本のメーカーは、シェフとのコラボレーションによって、新しい商品、素材、味を開発することができる。私はシェフとして、消費者とシェフの両方のニーズを満たす製品を作るために、メーカーと協力する機会を歓迎する。

レストランシェフ11(マレーシア)

1. 我々は常に旬の魚を仕入れてます例えば今月なら愛媛県のマス鰹とか

マレーシアシンガポールでは唯一日本中の最高品質の物だけを独自のルートで購入し輸入してます

出来る限り新鮮で美味しい物を仕入れて行きたいのと同時に熟成した魚も使いたいので日本の技術で熟成させた魚も仕入れたいと考えてます

熟成するのはマレーシアの店でも出来ますが場所が無いこと等で難しいです

2.熟成に適して冷蔵庫みたいなのが有ると嬉しいです

レストランシェフ12(シンガポール)

1.基本的に日本近海の海水温上昇に伴い漁獲量の減少が気になります。

マグロや蟹等に漁獲量の規制で水産資源を守っていく事は必要で、

全魚種にも適用し、天然魚の安定供給を求めます。また、最近は、

養殖技術も向上し天然に近い魚種も伺っておりますので、安定供給に貢献している

と思います。第一次産業の発展を切に願っております。

2.3月にフーデックスジャパンにお伺いいたしました。メーカーさんも

目覚ましい発展をしており、日本の冷凍技術は世界1だと思いました。

液体冷凍(瞬間冷凍)加工された魚をシンガポールでお求めやすい価格

で普及してほしいです。水揚げされた魚を港で加工し直接海外に流通できれば、

コストダウンに繋がり、鮮度もよく、シンガポールでも使っていけると思います。

メーカー様には、液体冷凍機の普及と流通の改革を求めます。

レストランシェフ13(シンガポール)

1、現在ほとんどのメジャーな魚種が入手可能になっています。今後求めるものは地方で食されているメジャーではない魚種です。

例えば私どもが8年ぐらい前に使い始めたイボ鯛はその当時有名ではありませんでした。

ですが脂が乗りおいしい魚でした。その後そのことが認知されるとたちまち人気魚になり価格も一気に上がりました。

そのような地方でのみ食されている魚種の入手を期待します。

もう一つは生きたままの輸送が出来ると良いと思います。

イカなどを生きたまま入手できると特別感があります。

2、期待することではありませんが問題点として使っている香辛料などの種類により入荷が出来ない場合が多いことです。

また味も日本的すぎてこちらに合わないものも多々あります。ですので多少の調整ができるような原料にしてあれば使いやすいと思います。

レストランシェフ14(シンガポール)

1.中華料理に合った(蒸しや揚げ)魚(活魚)の輸出。代表的な魚は、GaroupaとSoon Hockです。

(できれば活魚、冷凍やチルドでの味は不明ですが、行けると考えております)

これらの料理は、2~3万円します。(献立として)

 

2.今後日本のメーカーに期待されることはありますか?

中華に合った海鮮の開発ですね。日本の野菜が海外で伸びないのは、こちらの人が欲しい物を日本が作らないからです。

海鮮も同じです。こちらで売れる魚の養殖です。頭と尾が付いていないと、お金を取れません。(中華では)

メーカーではなく、輸出ロジスティックの進化を期待します。(運賃が高すぎます)

Garoupa.jpg

海外商社15(マレーシア)

1. 変わらず美味しく安全であれば😊


2. 定期的なご案内、発信をいただけると大変ありがたいです

海外商社16(オーストラリア)

1.今後日本の魚に期待されるものはありますか?
価格帯の高いものでも品質重視で海外のおまかせ等で提供できるクオリティのものを期待いたします。

2.今後日本のメーカーに期待されることはありますか?
生冷凍品等で、日本で食べるのと同じクオリティで海外で提供できる品質を常に期待しております。

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